2016年6月6日
 
総領事からのご挨拶
 

  夏のような暑い好天から一転して冷たい雨の天気になるなど、安定しない天候が続いていますが、バイエルン、バーデン=ヴュルテンベルクの皆様、如何お過ごしでしょうか。岩渕真奈選手のプレーするバイエルン・ミュンヘンは今年も男子とともにリーグ優勝を達成しました。おめでとうございます。

 

 4月14日にはミュンヘン日本人国際学校の入学式に出席させて頂きましたが、今年は昨年4月より7名生徒数が減って、200名と伺いました。一部の企業の話では、ミュンヘンの治安を心配して単身赴任される社員の方が増えているそうです。パリ、ブラッセルでのテロ事件以降、ドイツにおいてもテロを心配せざるを得ない状況ではありますが、ミュンヘンの2015年の犯罪総件数は4.2%減少し、10年前に比べて人口が増大しているにも拘わらず14.1%減少しており、一般的な治安は改善傾向にあります。もとより、人口10万人あたりの犯罪件数が6,465件というのは、日本と比べれば決して良い数字ではありませんが、独の大都市の中では非常に犯罪の少ない町ということができ、ご家族の赴任に際しても、また、旅行に際しても大きな問題がある土地ではありません。ご家族での赴任や、邦人旅行者が増えてくれればと期待しており、在留邦人の皆様もお知り合いの方から照会があれば、ぜひそのように伝えて頂ければと思います。また、バーデン=ヴュルテンベルク州(以下BW州)に成立した新政権は、連立協定において、警察官を1,500名増員することに合意する等、治安の強化に力を入れるとしていますので、BW州も、もともとドイツの中では治安の良い方ではありますが、更なる治安の改善に期待したいと思います。一方で、残念ながらドイツにおいてもテロの危険がゼロとは言えないので、邦人の皆様におかれましては、デモ等には近寄らない等、引き続き注意を払って頂ければと思います。

 

5月4日には安倍総理が一昨年のベルリン、昨年のエルマウ・サミットに続き、ベルリンを訪問し、メルケル首相と首脳会談を行いましたました。その中で、二国間関係においても、来年のハノーファーにおけるCEBIT(情報通信メッセ)のパートナー国に日本が招かれたこと、ガウク大統領の訪日招待を行うなど、いくつかの成果が得られました。そして、26日、27日に行われたG7伊勢志摩サミットには、メルケル首相も参加し、世界経済やテロ対策、海上安全保障等、幅広い議題について意見交換が行われました。また、バイエルンと日本との交流では、州議会財務委員会のヴィンター委員長以下15名の州議会議員が、ちょうど桜が満開の3月末に訪日し、最新情報の入手や意見交換等の日程をこなされました。「大変有意義な日程だった。訪問先に日本を選んで良かった」とおっしゃってくれました。


経済では4月半ばに、ミュンヘンにおいて、3年に一度の大規模な建設機材メッセBAUMAを視察し、多くの日本の大企業が出展していることに勇気づけられました。また、6月初めには水処理・廃棄物処理・リサイクル技術メッセIFATに出展している日本企業も訪問しました。5月初めにはミュンヘンのパン製造大手のトラウブリンガー社を訪問させてもらい、そこでマイスター取得を目指して頑張っておられる三人の日本の方にお目にかかりました。経済界との関係では4月にバイエルン経済連盟のガッファル会長を表敬、5月にはマンハイムにあるライン・ネッカー商工会議所を訪問し、管轄地域にあるSAP、フロイデンベルク等の企業の日本での事業についても説明を受けました。その他、日本でも事業を行っているミュンヘンのインフィニオン社、アウグスブルクのエアハルト&ライマー社、そしてデンソー・ドイツのミュンヘン空港の近くにある拠点を訪問させて頂きました。


メディア関係ではバイエルン放送のラジオ・ニュースのリーデラー編集長、SWRのテレビのフライ編集長を訪問したほか、ドイツ・ジャーナリスト学校を訪問しました。


シュタルンベルク湖のほとりのブッフハイム美術館で3月後半から、「クリムトと春画展」というものが開催されており見学してきました(6月19日まで)。春画は当時の浮世絵師が皆手がけており、美術として高い価値を認められているということを私も今回初めて知った次第です。


5月8日には11回目となるアウグスブルク日本春祭りが植物園で開催され、私もグリブル市長、ライマー・アウグスブルク・シュヴァーベン独日協会会長らと開会式に出席しました。好天にも恵まれ、1万人前後の方が来場されました。今年は例年のプログラムに加えて、錦鯉の展示なども行われ、武道から囲碁、折り紙、けん玉、書道、お茶、尺八に至るまで、改めて、日本の文化の裾野の広さを認識して頂く良い機会となりました。


その直前にアウグスブルク・インターナショナル・スクールを訪問する機会があり、320人程度の生徒数の中で、10名以上の日本人の生徒が頑張っているということで、日本人の保護者や生徒の皆さんと話をしてきました。学校関係ではそれ以外に、初めてカールスルーエ日本語学校を参観しましたが、他の補習校と同じように、関係者の方々や生徒さんが頑張っておられました。さらに、ミュンヘンでは補習校の授業参観日に訪問し、授業を見せて頂きました。

 
4月9日には、「ドイツ人の日本観、日本人のドイツ観、80年代から今日まで」と題する講演会を、バーデン=ヴュルテンベルク独日協会主催のもと開催しました。

 

 これから暑い日が多くなっていくと思いますが、皆様のますますのご健勝を祈念します。

 

 

<過去のご挨拶>
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2015年 5月
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2016年 1月
2016年 3月
 

 
 
(左から)コーネルト・アウグスブルク=シュヴァーベン独日協会事務局長、ライマー同会長、 グリブル・アウグスブルク市長、ケアマイケル・インヴァネス市長、柳総領事
 
マーレン校長、ワーグナー理事、

インターナショナル・スクール日本人児童及び保護者の皆様と