バイエルン州、バーデン=ヴュルテンベルク州の両州にお住まいの皆様
新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
大晦日から元旦にかけてミュンヘン市内における自爆テロの具体的な情報を入手したとして、ミュンヘン中央駅と市の西部にあるパージング駅で避難措置がとられ、警察による両駅の封鎖が行われるなど、厳戒態勢の緊張した雰囲気に包まれての年明けとなりましたが、幸いテロの発生はありませんでした。
この件についてドイツの治安当局は、具体的なテロの脅威はなくなったが、引き続きバイエルン州のみならずドイツ全土に抽象的なテロの脅威が存在すると述べつつ、一方で普段通りの生活を過ごすよう市民に呼びかけております。
皆様におかれましては、テロ事件や不測の事態に巻き込まれることのないよう、最新の情報の入手に努めるとともに、テロの標的となりやすい場所(公共交通機関、観光施設、デパートや市場など不特定多数が集まる場所、政府・軍・警察関係施設)を訪れる際は、周囲の状況に十分注意を払い、不審な人物や状況を察知したら、速やかにその場を離れるなど安全確保に十分注意してください。
新年に入ってからもドイツへの難民流入が続いていますが、ここで改めて、到着する難民に対する、両州の人々、特にボランティアの方々の人道的かつ寛容な受入れ対応に心から敬意を表したいと思います。安倍総理も、去る11月16日にトルコで開催されたG20サミットの際に行われた日独首脳会談で、難民問題におけるドイツの取り組みに敬意を表するとともに、中東地域の難民に対する総額8億1000万ドルの日本の支援について説明しました。
さて、昨年は日独交流の関係で、姉妹都市である市川市との草の根レベルの交流に提携締結時から精力的に携わっておられるバウアー・ローゼンハイム市長と、南ドイツ地域で40年以上にわたり日本語講師として活躍されてきたゲーリッシュ大島アウグスブルク=シュヴァーベン独日協会名誉会員が、それぞれ外務大臣表彰を受賞されました。改めてお祝い申し上げます。
昨年秋には様々な大学を訪問しました。アウグスブルク大学では、デーリング=マントイフェル学長と、学術分野での日独交流の強化の可能性について議論をし、エアランゲン=ニュルンベルク大学では、ホルネッガー学長と意見交換をし、同学の日本学科の日本研究への熱心な取り組みや、工学部と、同学部に海外拠点を置く名古屋工業大学との活発な交流について伺いました。エアランゲン=ニュルンベルク大学は、1742年創立の、法・経済学部、工学部、医学部等を有する伝統ある総合大学であるにも拘わらず、大学全体の知名度は日本ではあまり高くはありません。一方、今回の訪問で、学長は日本の大学との協力にも高い関心を示されたので、工学部と名古屋工業大学のような学部間の交流に加えて、日本の総合大学と大学全体との間でもより緊密な協力関係が構築されることを願っています。その他、パッサウ大学で同大学とパッサウ独日協会の共催の下、日本の外交・安保政策についての講演をさせて頂き、後日講演について地元紙のパッサウアー・ノイエ・プレッセ紙に報道されました。
大学以外では、12月に、茨城県土浦市と友好都市関係にあるフリードリッヒスハーフェンのブラント市長や、コンスタンツのブルヒャルト市長を訪問しました。また、コンスタンツでは地元の南クーリエ紙を訪問し、現在の日本の政策につき説明を行いました。また、バイエルン州との関係では、10月末にブルナー・バイエルン州農業大臣を表敬訪問し、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)締結や、バイエルンにおける農業発展等について意見交換を行いました。さらに11月には、昨年同様CSU党大会に出席し、同大会での議論を非常に興味深く拝聴しました。
経済関係では、11月にミュンヘン・メッセで開催された富士通フォーラムを初めて訪れました。ミュンヘンで日本の大企業が毎年このように大規模なフォーラムを開き、様々なソリューションやサービスを提供していることを、非常に心強く感じました。
このほか、12月3日には、シュトゥットガルト郊外のディッツィンゲンで、カミュラー・シュトゥットガルト名誉領事による天皇誕生日レセプションが開催され、日独交流の関係者にお目にかかりました。また、7日には、当館主催でミュンヘンにて天皇誕生日レセプションを行い、幅広い分野で日本との関係強化に取り組まれている方々をお迎えしました。今年はメルク・バイエルン州欧州・地域担当大臣に主賓として出席頂き、日本とバイエルン州との緊密な関係について、また、日本の開発援助政策に対し、力強いお言葉を頂きました。この場をお借りして、メルク大臣のご出席に心から感謝申し上げます。
最後になりましたが、本年も、バイエルン州、バーデン=ヴュルテンベルク州と日本の関係強化のために努めると共に、皆様のお役に立てるよう、総領事館館員一同努力していく所存ですので、引き続きよろしくお願い申し上げます。皆様にとりまして、2016年が良い1年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
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