メールマガジンバックナンバー 2020年
第580号:ミュンヘン空港における邦人を狙ったクレジットカード詐欺被害(注意喚起)
●3月下旬,日本へ帰国しようとした邦人が,ミュンヘン空港第2ターミナルの入口付近において外国人から声を掛けられ,クレジットカードを不正利用される事件が発生しました。
●同様の被害は,フランクフルト空港を始め,欧州各地の空港でも確認されています。手口は以下のとおりですので,被害に遭わないよう十分に注意してください。
1.邦人被害者は,日本に帰国するため,ミュンヘン空港第2ターミナルに赴いたところ,入口付近で見知らぬ男(短髪,身長185センチメートル位,30歳前後)に英語で声を掛けられた。
2.当初は無視していたが,男はしつこく駆け寄ってきて,「日本人か?コロナウイルスの影響で飛行機が飛ばなくなったので,フライトを変更しなければならない。日本の航空会社に至急電話したいので,助けて欲しい。」と懇願された。邦人被害者は,非常事態であり,この男を助けてあげたいと思い,この依頼に応じることとした。
3.男から「相手先の電話は固定電話からしか掛けることができないため,公衆電話を使わなければならない。」と言われたため,フロア内の公衆電話に向かった。そこで,男は自分の財布を見せながら,「この公衆電話は現金を使うことができず,クレジットカードが必要だ。しかし,私はこのとおり現金しか持っていない。現金10ユーロ支払うので,あなたのカードをこの電話に入れてくれないか。」と依頼された。
4.当初,海外発行のカードを公衆電話に入れてみたところ,男から「これは使えないようだ。日本発行のカードはないか?」と言われたため,唯一所持していた日本のカード(楽天カード)を入れた。「これは大丈夫そうだ。暗証番号を入れてくれないか。」との求めに応じ,暗証番号を隠しながら入力したつもりだったが,公衆電話の画面上に表示されていたため,犯人から目視できる状態になっていた。
5.男は受話器を持って電話を掛けようとしていたが,繋がらないと言って,カードを公衆電話から抜き差ししていた(後から思い返せば,おそらくその際にカードをすり替えられていた。)。
6.結局,電話は繋がらないまま,男はインフォメーションに相談に行くと言ったので,カードを返してもらい,その男と別れた。日本に帰国し,カードを使用しようとしたところ,店員から指摘されて別人の名義であることに気づき,直ぐにカード会社に連絡したが,既に限度額一杯まで現金を引き出されていた。
【注意点】
●見知らぬ人から声を掛けられても容易に信用しない。少しでも不審と感じた場合はすぐにその場を立ち去る。
●クレジットカードやキャッシュカード等を見知らぬ人に安易に手渡さない。
●クレジットカードが相手の手に一瞬でも渡った場合は,すり替えられている可能性もあるため,カード名義をすぐに確認する。
●暗証番号を入力する場合には,周囲に不審な人がいないか警戒を怠らない。特に,画面も含めて暗証番号を脇から覗き見られないよう注意して操作する。
●万が一,クレジットカードやキャッシュカードの不正利用に気付いた場合は,直ちにカード会社に通報して機能停止の手続を依頼するとともに,当地の警察に被害を届け出る。
同種事案の発生等、本件に関する情報がございましたら、当館までお知らせくださいますようお願いいたします。