メールマガジンバックナンバー 2020年
第559号:不動産取引詐欺・メール版「助けて詐欺」に関する注意喚起
1 不動産取引詐欺
大手不動産会社のホームページで部屋を探していたところ,気に入った部屋を見つけたので,さっそく大家にメールしてみることにした。大家は「私は今外国に住んでおり,部屋の管理や手続きは,全てA社に任せている。今後の手続きは,A社と進めて欲しい。」とのことであったので,A社からの連絡を待つことにした。後日,A社からメールが入り,「手続きを進めるには前金が必要であるため,先にこの口座にお金を振り込んで欲しい。」と言われたので,指定された口座にお金を振り込んだ。しばらくしても,A社から連絡がないため,メールで問い合わせてみたが返信がない。ホームページでA社の電話番号を調べて電話したところ,A社は関与しておらず,詐欺であることが発覚した。
【注意点】
●インターネットを利用した安易な商取引は極力控える(名の知れた大手の不動産業者のウェブサイトであっても,そのインターネット掲示板には必ずしも当該大手不動産とは一切関係がない様々な投稿がある。)。
●銀行振込や商取引に当たっては,取引前に振込先に電話で詳細を確認する,直接事務所を訪問して取引内容を確認するなど,安全性を十分に確認する。
●一人で対応したり,悩んだりせず,家族や友人に相談する。
2.メール版「助けて詐欺」
ある日,メールを開くと,B社から「私たちの自動安全システムが不正アクセスを感知したため,あなたのメールの受信箱を念のためブロックしました。あなたの身分確認のために,ここをクリックしてください。(実際はドイツ語)」とのメールが来ていた。
そのリンク先をクリックしたところ,登録しているメールアドレスがハッキングされ,翌日,「某国に旅行中,カバンを盗まれ,パスポートやクレジットカードがなくなってしまった。700ユーロ貸してほしい。(実際はドイツ語。親称duを使用)」とのメールが登録アドレス全員に送信された(送付メールアドレスは本人のもの)。本人は,そのメールを見た友人からの電話で初めて気付いた。
【注意点】
●身に覚えのない人や会社,内容のメールは,不審メールかもしれないとの認識を持ち,内容をよく確認する。
●リンク先や添付ファイルは,不用意にクリックしない。
●身に覚えのない内容であったり,不審なメールであれば削除する。
●金銭の振り込みにかかるメールについては,たとえ知人の電話番号やメールアドレスであったとしても安易に信用しない。メールの要求内容や発信元メールアドレス等の不審点を十分吟味し,かかってきた電話やメールにそのまま返信することなく,必ず別の手段で本人に確認をとるなど慎重に対応する。
同種事案の発生等、本件に関する情報がございましたら、当館までお知らせくださいますようお願いいたします。